研究課題/領域番号 |
10670284
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
筒井 祥博 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50073135)
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研究分担者 |
小杉 伊三夫 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10252173)
馬場 聡 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (10242760)
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キーワード | サイトメガロウイルス / 胎内感染 / 神経細胞死 / アポトーシス |
研究概要 |
1. マウスサイトメガロウイルス(MCMV)による発育期脳のアポトーシスの誘導: 胎生後期マウス脳にMCMVを感染させ、新生児マウス脳を取り出しTUNEL法によって大脳皮質および海馬の領域にアポトーシスが誘導されることを明らかにした。TUNEL法と神経特異抗原であるneuron-specific enoiase(NSE)、グリア細胞特異抗原であるGFAP、ミクログリアの特異抗原(F4/80)に対する抗体を用いた二重染色を行なった。NSE、GFAPと二重染色される細胞は数パーセント以下であったが、F4/80と二重染色される細胞は30%であった。またウイルス抗原と二重染色されるTUNEL陽性細胞も数パーセント以下で、MCMV感染脳においてこれらの領域の神経細胞が有意に減少した。 これらの結果よりアポトーシスの誘導される細胞はMCMVに直接感染した細胞でなく、MCMV感染によって間接的に生じ、ミクログリアによって責食される可能性を示した。初代培養神経細胞にMCMVを感染させると、血清除去あるいはグルタミン酸によって誘導されるアポトーシスが抑制されることを示した。 2. MCMV遺伝子前初期および早期遺伝子発現と神経系細胞株のアポトーシス誘導との関係: マウス神経芽細胞腫由来のN18/TG2細胞にMCMV前初期遺伝子、早期遺伝子またはその発現ベクターを導入した細胞株を作成し、これらの細胞株に血清除去法でアポトーシスを誘導したところ、前初期遺伝子導入株においてアポトーシスが促進された。早期遺伝子導入細胞株においては影響を認めなかった。
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