研究概要 |
1. HHV-7に対する単クローン抗体(Mab)の作成と性状の解析:HHV-7のMRK株を抗原としてMabを作製した。認識ポリペプチドの同定は、^<35>Sメチオニンあるいは^<32>P正リン酸標識感染細胞lysateによる免疫沈降法にて行った。その結果、免疫沈降法にて抗原が同定された12個の抗HHV-7特異的MAbは、認識ポリペプチドの分子量により4群に分類された(125kDa,120kDa,78kDa,48kDa)。このうち120kDa,78kDaはリン酸化蛋白であった。HHV-7の125kDaの後期抗原を特異的に認識するMabはドットブロット法によるウイルス増殖の判定に有用であった。 2. ドットブロット中和抗体測定法の開発および各年齢層の抗HHV-7中和抗体の測定: ドットブロット法によるウイルス抗原の検出は、96穴プレート内の感染細胞lysateをDot blotterを用いてナイロン膜に移し、一次抗体として上記Mab、二次抗体としてアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG抗体を用い、ケミルミネッセンス法で検出した。中和反応は、被験血清の2倍段階稀釈系列と各ウイルス液(500TCID_<50>/well)を混合し37度一時間中和反応の後、臍帯血リンパ球を加えて1週間培養し、感染の成立の有無を上記ドットブロット法で決定し、中和抗体価を求めた。今回確立したドットブロット中和法は、浮遊培養系のウイルスの中和抗体測定法として、簡便で客観性、再現性に優れており、この方法を用いたHHV-6,-7の血清疫学の展開が期待される。
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