研究課題/領域番号 |
10670287
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
冨山 宏子 熊本大学, エイズ学研究センター, 助手 (50301370)
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研究分担者 |
滝口 雅文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)
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キーワード | HIV-1 / CTLエピトープ / HLA-B35 / HLA-B51 / エスケープミュータント |
研究概要 |
1. HLA-B35拘束性、HIV-1特異的CTLエピトープの変異に関する検討 2人のHIV感染者を対象とし、9つのHLA-B35拘束性、HIV-1特異的CTLエピトープの変異を調べた。その結果、末梢血リンパ球をペプチドで刺激し、CTL活性が誘導できたエピトープのうち、1つのエピトープを除いたすべてに変異が認められた。特異的CTLクローンを使ってこれらの変異エピトープに対する認識を確認した。一部の変異エピトープはCTLクローンによって認識されなかった。これらの変異エピトープを使って、対象としたHIV-1感染者の末梢血リンパ球を一回刺激し、特異的CTL活性の誘導を試みた。その結果、すべての変異エピトープ特異的CTL活性が誘導された。以上、今回の検討結果からは、エスケープミュータントは確認出来なかった。引き続き、HIV感染者のエピトープの変化を経過を追って調べていく。 2. HLA-B51拘束性、HIV-1特異的CTLエピトープの変異に関する検討 以前の検討で、5つのHLA-B51拘束性で、HIV-1感染者に強く認識されるCTLエピトープが同定された。実際に、HIV-1感染者体内でこれらのエピトープ特異的CTLが誘導されているかどうかを確認する為に、HIV-1感染者自身のPHA-blastで末梢血リンパ球を刺激し、エピトープ特異的CTL活性を測定した。その結果、3人の末梢血リンパ球で2種(gag由来1、pol由来1)のエピトープ特異的CTL活性が確認された。しかし、ペプチド刺激で高いCTL活性が誘導されているにもかかわらず、上記の方法で、特異的CTL活性が誘導出来ないエピトープが4人のHIV感染者で確認された。この一つの要因として、個々の感染者が持っHIVのエピトープが変異している可能性が示唆された。今後、これらのHIV感染者のエピトープの変異を検索していく予定である。
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