研究概要 |
1. CD43/130kDaアイソフォームの発現と抗体産生誘導調節機構 (1) CD43/130kDaアイソフォーム発現と抗体産生ヘルパー活性の解析 自己免疫モデルB/WFマウス由来の130kDaアイソフォーム陽性・陰性T細胞クローンについて,その抗体産生に対するヘルパー活性を細胞移入実験により解析すると,陰性T細胞クローンにのみヘルパー活性が認められた. (2) CD43/130kDaアイソフォーム発現とT細胞サイトカイン産生の解析 130kDaアイソフォーム陽性・陰性T細胞クローンのサイトカイン(IL-2,IL-4)パターンをELISAにて解析したが,関連性は認められなかった. 2. CD43/130kDaアイソフォームの発現調節機構 (1) T細胞株作成維持条件によるCD43/130kDaアイソフォーム発現変動の解析 T細胞刺激における抗原濃度,刺激細胞数,添加する増殖因子の有無などについて検討を加えたが,いまだ明確な条件を決定できていない.引き続き,種々の条件について実験を行う. (2) in vivoにおけるMFT3陽性T細胞の動態・機能解析 抗原で免疫し1週間後の領域リンパ節内T細胞には,数パーセントの130kDaアイソフォーム陽性T細胞の出現が認められる.時間経過とともに,この陽性細胞の頻度は低下する.頻回免疫においても同様の発現様式を示す.また,T細胞クローン細胞移入における実験で,陽性・陰性のクローンで脾臓への移行に質的差違は認められなかった. (3) CD43/130kDaアイソフォーム発現調節に関与する細胞内因子(酵素)の検索 130kDaアイソフォーム陽性・陰性T細胞クローンのcore2N-glucosaminyl transferase(C2GnT)のmRNAをRT-PCRにて解析すると,陰性クローンではまったく検出されなかった.このアイソフォーム発現はC2GnTにより発現調節されていると推測される.
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