研究概要 |
1.B細胞の末梢リンパ器官における増殖、分化には、濾胞樹状細胞との相互作用が重要な役割を果たす。濾胞樹状細胞から産生されるケモカインBLCは、in vitroで、B細胞に作用し、遊走能を活性化する。本研究者は、BLCの生体内における機能を明らかにする目的で、BLC欠損マウスを樹立した。ホモ変異マウスは、生後4週現在、正常マウスと、外見上、特に変化を認めない。今後、BLCの欠損マウスにおいて、B細胞の組織分布、濾胞樹状細胞の分化、免疫応答をFACS,免疫組織染色、ELISAなどにより、解析する予定である。 2.B細胞の末梢リンパ器官における成熟分化には、NF-kBという転写因子の活性化が必須である。NF-kBを活性化する、上流のキナーゼ分子として、機能、構造の類似したIkBキナーゼがα、βの2種類、存在する。本研究者は、このうち、IkBキナーゼαが、成熟B細胞集団の維持に必須であることを明らかにした。 3.本研究者は、転写因子C/EBPγの欠損マウスを樹立することにより、NK細胞の主たる2つの機能、すなわち、細胞障害活性とインターフェロンγ産生に、C/EBPγが必須であることを明らかにした。現在、C/EBPγのターゲット遺伝子を明らかにする目的で、正常、および、C/EBPγ欠損NK細胞から、mRNAを抽出し、DNAチップを用いて、発現量に差のある遺伝子を検索中である。
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