研究課題/領域番号 |
10670315
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
丸山 総一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70219567)
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研究分担者 |
江副 智子 大阪大学, 医学部, 助手 (40232954)
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
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キーワード | ストレス / ストレス耐性 / ライフスタイル / ヒュ-マンサポ-ト / NK細胞活性 / 唾液中コルチゾ-ル / 震災ストレス / 職場ストレス |
研究概要 |
ストレス耐性の決定要因を解明するために、ストレス要因として急性と慢性の二つの場合(急性ストレスとしての震災ストレスと慢性ストレスとしての職場ストレス)について検討した。今年度は、阪神淡路大震災の被災者集団と某製造業勤労者集団を対象にした質問票調査と医学生物学的測定(NK細胞活性、唾液中cortisol)の結果から、ストレス耐性の決定要因についていくつかのストレスモデルを検討し、定量的に評価した。ストレス耐性の決定要因としては、ライフスタイル(喫煙、飲酒、運動、睡眠、食生活、労働時間など)、ヒュ-マンサポ-ト、タイプA性格、ストレス対処行動(積極的と消極的)のほか職域では、仕事のコントロ-ル、アレキシサイミア、組織特性についても検討した。まず震災ストレスのストレス過程におけるストレス緩和因子として、震災前のライフスタイルが良好であったことや震災前後でライフスタイルが悪化しなかったこと、ヒュ-マンサポ-トの多かったことが、同じストレス強度でもストレス反応(GHQ、SDSでみた精神的健康度、生活満足度、職務満足度、NK細胞活性、唾液中cortisol)が相対的に適量域内にコントロ-ルされていることがわかった。職場ストレスのストレス過程では、職場ストレスの多いことは職務不満を増加させていたが、上司のサポ-トの多いことや積極的なストレス対処行動は、職務不満を緩和していることがわかった。今年度は、継続調査を実施し、より長期的な時間経過の過程におけるストレス耐性因子を定量的に評価したい。特に職域では、過去10数年間のデ-タベ-スも用い、バブル経済期と現在の不況期におけるストレス耐性因子の相互比較も検討したい。また、唾液中cortisolは、ストレスの多いことやストレス耐性の低い場合に増加していることや日内変動の攪乱がみられることが示唆され、今後測定時刻等測定方法を追跡調査し、非侵襲性で簡便なストレス指標として確立したい。
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