研究課題/領域番号 |
10670320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
板井 一好 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10048572)
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研究分担者 |
小野田 敏行 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00254748)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | フッ素 / 血清 / type I collagen carboxy-terminal telopeptides / 骨型アルカリホスファターゼ / 骨密度 |
研究概要 |
骨組織と親和性の基も強い元素の1つであるフッ素と骨代謝との関連について検討した。フッ素は殆ど全ての食品中に含まれることから、人は一生涯にわたってフッ素を摂取しつづける。吸収されたフッ素の約30〜40%が骨組織中に蓄積して、加齢とともに骨組織中フッ素濃度は高くなり、60歳代では数百ppm以上にも達する。高齢者における骨代謝の変化、特に女性における閉経後の急激な骨代謝の変化により、骨組織中フッ素が血液中に放出されることが予測される。血清中フッ素イオン濃度は恒常性が維持されないと考えられるため、空腹時の血清中フッ素イオン濃度は骨代謝を反映することが考えられる。 食事後5時間以上を経過した健康な女性258名から採取した血液を選び、血清中フッ素イオン濃度を測定した。対象者の年齢は20最大から70歳代までで、平均年齢は52.6±14.1歳であった。血清中フッ素イオン濃度の平均値は7.18±3.23μg/lであった。血清中フッ素イオン濃度は年齢と有意(p<0.001)な正の相関関係を示し、特に40歳代から50歳代にかけて平均濃度はそれぞれ5.72±2.07μg/lから7.82±3.51μg/lと有意(p<0.001)に増加していた。食後3時間以内の女性から採取した血清中フッ素イオン濃度は年齢と関連がなく、平均値が14.3±211.7μg/lと空腹群に比べて高値を示し、血清中フッ素濃度の測定に際して食事の影響が大きいため、骨代謝との関連を検討する場合には空腹時の血清を対象とすべきであることが確認された。 血清中フッ素イオン濃度と骨代謝との関連を検討するために、骨形成マーカーとして骨型アルカリホスファターゼ(骨型ALP)と骨吸収マーカーとしてtype I collagen carboxy-terminal telopeptides(I CTP)を外注にて測定し、血清中フッ素濃度との関連について検討した。血清中フッ素イオン濃度は骨型ALPおよびI CTPのいずれについても有意(p<0.01)な正の相関を示し、また腰椎の骨密度とは有意(p<0.01)の逆相関を示した。一方、これらとの関連を年齢の影響を除去して検討すると、今回の研究では、骨密度がほぼ正常レベルの対象者であったことからいずれについても優位な相関関係は認められなかった。今後、骨密度低下者について検討する必要がある。
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