CYP2E1は遺伝子多型によって組織での発現量が異なっているが、白血球でも遺伝子の発現のみられることから、平成11年度に行った「DMF代謝と遺伝子多型の実験」に参加したボランティアの検体を使ってRT-PCR法により白血球中のCYP2E1の発現量を検討することにした。 まず、健康な常習飲酒者でない成人男子より採血を行い、白血球より市販のキットを使ってtRNAを抽出した。次に、このtRNAを逆転写酵素によりcDNAとした。データベースでCYP2E1遺伝子の塩基配列を調べ、プライマーをデザインし、得られたcDNAをテンプレートとしてPCRを行った。CYP2E1の発現量を検討するには対照となる遺伝子が必要であるが、ハウスキーピング遺伝子であり、この種の実験によく用いられるβーアクチンを対照とした。βーアクチンのゲノムDNAの塩基配列に関する情報をデーバベースより入手し、イントロンをようにプライマーをデザインした。 条件設定は、いまだ完了していないが、このあとカィネティクス分析の手法を使って、mRNAのオリジナルのコピー数を推定する方法を確立する。ABI社DNAシークエンサー373XLを使って、CYP2E1とβーアクチンのPCR産物の比を算出し、ボランティアの白血球中のCYP2E1遺伝子の発現量を推定する。
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