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1998 年度 実績報告書

エタノール代謝物蛋白結合体の諸臓器組織および機能におよぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 10670325
研究機関東邦大学

研究代表者

今井 常彦  東邦大学, 医学部, 講師 (90104215)

研究分担者 塚本 昭次郎  日本大学, 総合科学研究所, 教授 (90059296)
大本 美彌子  東邦大学, 医学部, 教授 (20057491)
キーワードエタノール / 腎 / 骨 / 軟X線 / 組織
研究概要

アルコール依存症者に骨の菲薄、骨頭壊死、骨祈の頻度が高いなど骨変化のあることが明かなっている。本研究においては、エタノール摂取による骨変化がエタノールの骨への直接影響によるものか、肝、腎やその他の臓器障害の二次的影響かを明かにすることを目的とした。
【実験方法】 Fischer系雄ラットに生後2カ月齢時から27カ月間、16%エタノール水溶液である日本酒を自由摂取させた群(長期投与群)。生後7カ月齢時から1カ月間、16%エタノール水溶液である日本酒を自由摂取させた群(短期投与群)。投与終了24時間後に採血、血清中の25(OH)D3、1α,25(OH)2D3、24,25(OH)D3濃度の測定。肝、腎は摘出後、ホルマリン固定、常法通り標本作製し、H.E染色、PAS染色後光顕観察。長期投与群については大腿骨の軟X線写真撮影後、ホルマリン固定、脱灰後標本作製し、光顕観察を行ないました。
比較の対照としてそれぞれと同生日のエタノール非摂取ラットを宛てた。
飼育飼料は市販固型飼料(日本クレア製のCE-7)の自由摂取。大腿骨の軟X線像所見および肝・腎・大腿骨の組織所見の強さの程度は、所見なし、ごく軽度、軽度、中等度、強度の5段階とした。
【結果および考察】 血清中の25(OH)D3は、短期投与群では対照群の17.4±0.6ng/mlに対してエタノール群は20.0±2.0ng/mlとエタノール群がわずかに高値傾向であり、長期投与群では対照群の7.5±2,6ng/mlに対してエタノール群は12.6±5.8ng/mlとエタノール群が高値傾向であった。1α,25(OH)2D3は、短期投与群では対照群の82.2±8.8pg/mlに対してエタノール群は58.1±12.1pg/mlでエタノール群が5%以下の危険率で有意差に低下し、長期投与群では対照群の37.0±5.5pg/mlにでありエタノール群は37.6±9.5pg/mlと有意差はなかった。24,25(OH)D3は、短期投与群では対照群の11.2±1.3ng/mlに対してエタノール群は5.9±0.4ng/mlとエタノール群が5%以下の危険率で有意に低値であり、長期投与群では対照群の1.6±1.2ng/mlに対してエタノール群は4.4±1.5ng/mlとエタノール群が5%以下の危険率で有意に高値であった。
組織所見について、肝では、短期投与・長期投与ともにエタノール群と対照群の間で所見の強さの程度に有意差の見られた所見はなかった。腎では短期投与群では、糸球体腫脹(対照群-/エタノール群±)、尿細管腫脹(-/±)、尿細管上皮細胞内に硝子様滴の貯留(+/〓)。長期投与群では、糸球体腫脹(対照群-/エタノール群+)、間質への線維増生(±/+)、塩基性尿細管(〓/〓)とエタノール群が有意に強度であった。
長期投与群の大腿骨の軟X線像所見は、骨像の淡影(対照群-/エタノール群±)、骨皮質菲薄(±/+)、骨と軟骨の境界の不明瞭(-/±)とエタノール群が有意に強度であった。
長期投与群の股関節組織所見は、表層関節軟骨細胞数の減少(対照群±/エタノール群+)、柱状層軟骨細胞の膨化、核の脱落、配列の乱れ(+/〓)とエタノール群が有意に強度であった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 今井常彦: "長期飲酒の腎・肝・骨・への影響" 日本衛生学雑誌. 54(1). 427 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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