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1998 年度 実績報告書

神経細胞間に存在するギャップ結合の調節機構に対する水銀化合物の影響

研究課題

研究課題/領域番号 10670328
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

吉田 稔  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (80081660)

研究分担者 千葉 啓子  岩手県立盛岡短期大学, 生活科学科, 助教授 (90197137)
原 正幸  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10198898)
鯨岡 徹  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40130992)
キーワード細胞間コミュニケーション / ヘムオキシゲナーゼ / メチル水銀 / ギャップ結合 / カルシウム / 一酸化窒素
研究概要

臓器および器官を形成する細胞間にはコネクシン(Cx)といわれる蛋白質よりなるギャップ結合(GJ)が存在する。この結合を介して細胞間コミュニケーションによって行なわれ、細胞内の内部環境の恒常性維持がなされている。細胞内環境が毒物によって乱されると近傍正常細胞への影響を防止するため、GJのチャンネルが閉鎖される。金属水銀(Hg^0)やメチル水銀(MeHg)は急性あるいは慢性曝露によって、中枢神経系や腎障害を引き起こす。しかしながら、これら金属による毒性発現機構については不明な点が多い。本研究はメチル水銀(MeHg)がギャップ結合(GJ)の調節機能にどのような影響を及ぼすかを検討し、水銀による神経毒性の発現機序を明らかにする。本年度は、細胞間コミュニケーションの調節機構が明らかにされている腎培養細胞を用いて、GJに対するMeHgの影響を調べた。MeHg曝露後、GJは閉鎖され、MeHgが細胞間コミュニケーションの調節に影響を及ぼすことが明らかとなった。しかもこの閉鎖は細胞障害より早期に出現することから、GJ閉鎖は生体防御機構の一つであること考えられる。しかもMeHgによるGJの閉鎖は細胞内情報伝達物質である一酸化窒素(NO)より、細胞内Caイオンの上昇が関与していることが判明した。これらの知見を踏まえて、神経細胞間のGJ調節も腎細胞と同様な機構でMeHgにより影響を受けるか否かを検討している。一方、GJの調節にはヘムオキシゲナーゼ(HO)の最終産物である一酸化炭素(CO)の関与が考えられている。脳内でHO誘導発現をmRNAレベルから解明するため、ヒ素を妊娠動物に投与した検討した。その結果、胎仔の脳においてHO誘導発現が認められ、HOを介したCOのGJ調節への関与と生体防御に重要な役割を担っている可能性が示唆され、現在検討を続けている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshida M.,et al.: "Methylmercury inhibits gap junctional intercellular communication in primary cultures of rat proximal tubular cells." Archives of Toxicology. 72. 192-196 (1998)

  • [文献書誌] Hara M.,et al.: "Effects of low-protein diet on prolactin- and growth hormone-producing cells in the rat pituitary gland." Anat.Rec.251. 37-43 (1998)

  • [文献書誌] Hara M.,et al.: "Nonradioactive in situ hybridization:recent techniques and applications." Endocr.Pathol.9. 21-29 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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