研究概要 |
血漿中には酸化を受けやすいリポ蛋白が存在し,さらに金属イオン,酸素濃度も高く,低比重リポ蛋白(LDL)の酸化による変性はアテローム性動脈硬化の発症の原因ともなっている。一方,フリーラジカルや活性酸素種の攻撃に対して,生体は種々の防御システムを有しているが,血漿中にもラジカルの生成の抑制,ラジカルの捕捉,さらには傷害による修復,再生機能などを備え持っている。また必要に応じて抗酸化物を発生させ,必要な場へ送るという適応機能も持ち合わせていることが明らかにされているが,その能力は細胞内と比較して弱いことが指摘されている。このことからラジカルの生成を抑制する抗酸化物の開発が注目されている。すでに羅布麻葉が他の抗酸化物とは異なって,抗酸化活性とともに高LDL血症改善作用を有し,LDLの酸化に影響を及ぼしていることが示唆されたが,本年度はその活性成分をフリーラジカルを指標に検討し,羅布麻葉エキスにhyperoside,isoquercitrin,chlorogenic acid等を含有していることをMCI-gel CHP-20P,Sephadex LH-20カラムクロマトグラフィー等を駆使し,明らかにした。
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