研究課題/領域番号 |
10670345
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
太田 節子 信州大学, 医学部・公衆衛生学, 助手 (90143974)
|
研究分担者 |
那須 民江 信州大学, 医学部・衛生学, 講師 (10020794)
|
キーワード | C型肝炎ウィルス(HCV) / 流行地域住民 / 不顕性感染者 / HCV抗体 / 肝機能値 / 飲酒習慣 / 労働強度 / 肝ガン肝硬変死亡 |
研究概要 |
本研究は、HCV抗体陽性率の高い長野県A町B地区及びC地区をモデル地区として、HCV感染者の肝炎発症予防としての飲酒・労働を中心とした生活管理指導を行い、その評価と、HCV感染者の肝機能を悪化させる飲酒、労働の影響を介入研究で再確認し、HCVキャリアの肝炎進展防止のための健康管理システムを確立することを目的とした。 HCV抗体存在下で肝炎を促進させる食生活因子(飲酒習慣、栄養状態など)、生活要因および労働形態を明らかにするため、生活状況に関する疫学調査を行い、HCV抗体陽性者の労働強度と肝機能の関係は、HCV感染者で労働強度重度群の肝機能値は軽度群より高い価であった。この結果はHCV感染者においては過度の労働は肝機能の悪化を促進させる可能性を示していた。 また、HCV抗体陽性で10年前肝機能値が高い群でも飲酒習慣の程度が少なかった人は肝機能値が安定方向に推移し、現在は10年前より有意に低い値を示した。しかし継続した飲酒習慣者は肝機能値の変動が大きく不安定なままであった。 以上から、HCV抗体陽性でも飲酒、労働を中心に適切な生活管理を行うことにより肝機能の悪化をコントロールし肝炎の進展を阻止できる可能性が示唆された。
|