研究概要 |
本研究では、ある地域の20歳以上住民から無作為に抽出された対象奢に対して大規模な疫学調査を実施し、WHO統合国際診断面接法(CIDI)によって不安障害の有病率、人口統計学的分布、生涯の主要な出来事との関連、疾患に伴う社会生活上の困難および身体疾患に及ぼす影響、さらに受診行動のパターンを明らかにする。 このために、岐阜県G市(人口約40万人)の20歳以上住民(約34万名)から2千名を無作為に抽出した。この対象者に対して、現在訓練を受けた面接員が訪問面接調査を実施中である。面接には、WHO-CIDI 1.1版のミシガン大学修正版(UM-CIDI)日本語版から、全般性不安障害、大うつ病、躁病およびアルコール・薬物依存症のセクションを使用した。CIDIの面接結果から、DSM-III-RおよびICD-10診断基準に基づいた全般性不安障害(不安神経症)、うつ病(大うつ病)、気分変調症(抑うつ神経症)およびアルコール・薬物依存症の診断を行なっている。 現在までに調査を依頼した対象者数は1,431名であり、回答者数は合計763名である。調査時点で死亡、転居、病院など施設に入所などの理由で対象者から除外された者を除いた対象者数に対する回答率は約60%であり、予想よりやや低いが許容範囲と思われる。平成11年度前半(平成11年7月頃まで)にはデータ収集を完了し、データの解析準備および解析を実施する予定である。なお、本研究における倫理的問題については、平成10年6月に岐阜大学医学部研究倫理審査委員会において承認を受けた。
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