研究課題/領域番号 |
10670351
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松本 健治 鳥取大学, 教育学部, 教授 (10073694)
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研究分担者 |
川添 博光 鳥取大学, 工学部, 助教授 (40260591)
國土 将平 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (10241803)
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キーワード | 発育・発達期 / 身体発育 / 骨状態 / 運動習慣 / 生活習慣 / 骨伝導音 / ライフスタイル / 最大発育年齢 |
研究概要 |
本年度は発育・発達期における身体の発育と骨状態の発育状況の関連性の検討の開始、及び中学・高校生に対して、健康教育の一環として、骨状態や健康に関する個人情報を提供し、その後、生徒のライフスタイルがどのように変化、改善するかについて検討を行った。すなわち、生徒のライフスタイルに関する調査、並びに、発育発達状況、骨状態の測定を実施した。調査測定は中学生約1000名、高校生約2000名を対象とした。これらの対象は昨年まで2年連続して調査を行っており、これらの調査資料は個人識別指標により、過去2年間の資料とマージし、3年間の縦断的データセットを作成することができた。それぞれの生徒に対して、これらの資料をもとに、健康状態評価個人票を作成し、健康指導に利用した。同一の対象(1998年4月現在鳥取市内の中学校、高等学校に在籍する2、3年生1115名)に対して、前年と同様の調査を行いライフスタイルの変容について検討を行った。ライフスタイルは、休養(就寝時刻、起床時刻、睡眠時間)、運動(スポーツクラブへの参加、運動時間)、食事(食物群別摂取状況)に焦点をあて解析を行った。その結果、就寝時刻は、前年の事前調査と本年の事後調査を比較すると、すべての学年で就寝時刻が有意に遅くなっていた。しかし、事後調査と事前調査の同学年を比較すると、中学生においては、同等、もしくは早く就寝する傾向がみられた。運動については、スポーツクラブの参加率が大幅に低下した。継続して運動を続けた者の運動時間は、中学生では短縮し、高校生では逆に長くなった。食物群別の摂取状況は、調査時に高校2年生の女子において、3年生になって高頻度で摂取する食物群が15食品群中5群あり、食生活が改善される傾向であった。中学生において、就寝時刻の改善が見られ、また、高校2年生の女子に食生活習慣の改善の見られたことは、性、年齢によって健康指導の効果に特異性があるという観点では意義がある。しかし、本研究で行った健康指導が直接的に生徒の生活習慣の改善に関連したかについては明らかではない。生徒に健康の情報を継続して提供し、その教育効果をより綿密に検討する必要があると思われる。 また小学校入学時から測定時までの健康診断の結果より、身長、体重、座高の発育資料を得た。これら得られた資料は、大型計算機を用いて処理するため、データの入力を終了させた。 なお、保健指導の資料として、平成10年12月に調査結果の概要ならびに個人票を対象学校に報告した。
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