福岡市近郊の久山町在住の小・中学生を対象に、環境因子としての食生活状況の調査、遺伝的因子としての家系調査を行い、並行して早朝空腹時の血清脂質値(総コレステロール、HDL、中性脂肪)を測定した。さらに、規準化された方式に従い血圧測定、各種身体計測値を測定記録し、健常児群における各測定値の年齢別の分布を検討し、年齢を考慮にいれた基準値の設定を目的に解析を進めている。 本年度は、小学生487名(男子248名、女子239名)、および中学一年生(男子53名、女子38名を対象とした。現在まで蓄積されたデータによる検討では、小1〜中3の児童・生徒の総コレステロール値は、男児、女児いずれも小学4年生で最高値を示している。その4年生の総コレステロール値の基礎統計量は;平均±標準偏差174±26mg/dl(男子178±25mg/dl、女子170±26mg/dl、中央値(最大〜最小)176mg/dl(241〜111mg/dl)であった。さらにデータを集積し、各測定値の継時的な変動について解析する予定である。
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