平成10年度に引き続き、福岡市近郊の久山町在住の小・中学生を対象に、環境因子(食生活状況、生活時間・清潔行動の実態)、家系調査を行い、さらに早朝空腹時の血清脂質値(総コレステロール、HDL、LDL、中性脂肪)を測定した。また、規準化された方式により血圧測定、各種身体計測値を測定記録した。 本年度は、小学生487名(男子255名、女子231名)、および中学1年生82名(男子41名、女子41名)を対象とした。脂質値については、従来のLDL=TC-(HDL+TG/5)から得られる値と直接法による値の相関についても検討した結果、r=0.9482で間接法による評価に問題がないことが判明した。一方、児童生徒の生活習慣、ことに清潔行動については、歯磨き、うがい、手洗いの3項目すべてを実行している学童の頻度は5人に1人以下で、中学1年生では男女とも4.9%ときわめて低率であった。生活習慣病の予防という観点からも注目すべき結果である。各測定値の継続的な変化・変動について解析が必要である。
|