肺内ガス不均等分布測定のための計測システムの開発

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10670357
• 研究機関: 大分医科大学
• 研究代表者: 青野 裕士 大分医科大学, 医学部, 助教授 (80150936)
• キーワード: 肺内ガス不均等分布 / コンパートメント / 呼気窒素ガス濃度 / 赤池のベイズ型情報量

研究概要

肺内ガス不均等分布を高い精度で簡便な測定できる装置開発とその理論を明らかにする段階まで達した。すなわち、従来の連続呼吸による窒素洗い出し法により肺内ガス不均等分布を定量することである。これまでの装置では、窒素ガスや、酸素ガスのセンサーが働くまでの時定数が大きく、ポリグラフに描出する呼気窒素ガス濃度にノイズを生じていた。肺の基本単位である肺胞が連続的に分布するとして、肺胞の換気能力を0.005から10.0の間を対数目盛りで50個の等区間になるように区切った50個の値と、1個の死腔で代表されるコンパートメントより構成されるとした肺内ガス不均等分布を計算する上で、ノイズが大きな障害となってきた。そこで、肺内ガス不均等分布描出のための肺機能測定装置の開発にあたり、ノイズを除去あるいは、最小化するために、赤池のベイズ型情報量基準最小化法を用いて、ほぼ解決した。一峰性の場合は、再現性があるが、2峰性ではまだ十分な再現性が得られていない。ポリグラフに描出する呼気窒素ガス濃度は安静時に呼気量がほぼ一定となった時点から40呼吸のレベルの濃度であるので、この間での濃度を正確に計測するセンサーの時定数を短くするなどの装置開発が後半の主要な研究となろう。すなわち、パーソナルコンピュター(日本電気 PC-98シリーズ 数値演算プロセッサー登載)上に窒素ガス濃度を高い信頼度で描出するために、呼気窒素ガス濃度をアナログからデジタルに迅速に変換することがポイントとなる。

研究成果

• [文献書誌] 横山和仁: "可動員鉛が神経伝導速度分布に及ぼす影響" 産業衛生学雑誌. 40・1. 496 (1998)
• [文献書誌] 青野裕士: "肝機能障害者に対する健康管理" 産業衛生学雑誌. 40・1. 598 (1998)
• [文献書誌] 青野裕士: "結核に関する意識とその予防" 日本公衆衛生雑誌. 45・10. 643 (1998)
• [文献書誌] 青野裕士: "最近のクモ膜下出血死亡率と社会生活因子の影響" Journal of Epidemiology. 9・1. 93 (1999)
• [文献書誌] 青野裕士: "Lipoprotein (a) conceufrations in healthy subjects in the Dowinicar Republic : Comparison with Japanese." Japanese Heart Journal. (発表予定). (1999)
• [文献書誌] 深堀勝: "Program of Exercise Training as Total Health Promotion plan and its ertalation" Journal of Occupational Health. (発表予定). (1999)
• [文献書誌] 上島弘嗣編著: "循環器疾患ハイリスク集団への生活習慣改善によるリスク低下のための介入研究" 厚生省長期慢性疾患総合研究事業生活習慣病班, 202 (1998)
• [文献書誌] 江部高廣編著: "研究報告書" 小規模事業所における総合的健康管理等の方策に関する調査研究, 118 (1998)