健康余命をのばすことが健康づくりの上で当面の課題となってきた。そのため中高年者の「生活習慣病」、特に循環器疾患発症予防が重要である。この原因としては、食習慣・運動習慣・喫煙・飲酒等の生活習慣が中心となっている。これらの生活習慣に共通しているものは酸素消費であり、これに注目して機能管理をすすめていくことが、課題解決に有効と考えられる。健康度指標として、呼吸機能、特に、ガス交換・輸送機能検査に着目して、肺内の不均等分布の測定装置の開発を行った。ポリグラフに描出する呼気窒素ガス濃度の減衰曲線を、肺に分布する肺胞機能の連続した機能として、肺胞の換気能力を0.005から10.0の間の50個の値と、1個の死腔で代表されるコンパートメントより構成される分布として描出できた。複雑な肺内不均等分布を示す2峰性の分布も再現性を上げられた。これまで、一酸化炭素肺拡散能力検査がガス拡散能力・換気血流比不均等性を代表する呼吸機能検査であったが、高価であり臨床領域で使われることがほとんどであった。今回開発した方法は、測定の手技・解析等が簡便となったため、今後は保健領域等での活用が可能と思われる。
|