CATCH Program、JKYB研究会の成果等の健康教育プログラムを参考として、児童を対象とした高脂血症、肥満予防を主とした教材を開発した。併せて、生活習慣病全般に効果が上がるよう、総合的なプログラムとした。単に知識を与えるだけでなく、自らの問題を自らで取り組めるスキルを身につけることを目的とした。教師の使いやすさ、保護者への情報提供にも配慮した。小学4年生に教材を用いて教育を実施した結果、「コレステロール」の言葉の認知度は、1年間で61%から79%まで上昇した。「食物線維」という言葉の認知度は59%から78%まで上昇した。油、塩、砂糖に関する正解率では、15問中13問以上正解した者の割合は、38%から49%まで上昇した。お菓子の材料が記載されていることを知っている者は73%から85%まで上昇した。肉・魚を同じくらい食べると答えた者は51%から54%まで上昇した。野菜を毎日食べる者は、37%から42%と増加した。朝ご飯を毎日食べる者は、78%から81%と増加した。運動をほとんど毎日する者は、41%から43%へと微増した。健康教育教材を使用することにより、健康に関する知識の向上がもたらされた。運動については、今後さらにプログラムを充実させる必要がある。血清脂質等に与える影響等については、さらに解析を進める。今後は、健康教育プログラムを他の学年にも広め、こころと体、健康と病気についての段階的で、包括的な学習プログラムへ発展させる予定である。
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