研究概要 |
本研究に用いたハイブリッド神経細胞株(N18DRG/D2)に膜電位があることを膜電位感受性色の3,3'-dipenty1oxacarbocyanine iodide(Di0C_<66>)で染色し蛍光顕微鏡下で確認できた。そこで神経毒性物質により神経伝達機構が抑制されるかを膜電位活動を指標として蛍光光度計で計測でるかを検討した。蛍光光度計用のセルに入るカバスリップを作成しそこにN18DRG/D2細胞を生育せ細胞が生きている状態でDi0C_6染色を施した。無染色細胞に対して約10倍の蛍光強度が得られたN18DRG/D2細胞に毒性が明らかとなっているシスプラチンを曝露し蛍光強度に及ぼす影響を検討たところ、明らかに蛍光強度が低くなった。従って、本方法は神経毒性をスクリーニングするたの試験方法となりうることが示唆された。今後は、種々のメカニズムで誘発される神経毒性物質調べていく必要があると考える。 細胞内カルシウムイオン濃度の変化が細胞機能に変化をおよぼすことが知られていることから神経毒性評価法として意義があるかを検討した。神経毒性物質(シスプラチン)をN18DRG/D2細に曝露した後にfura-2染色を施し蛍光強度を測定すると抑制が認められた。今後は、細胞間連抑制が神経毒性の指標になりうるかメカニズムの面からも研究する必要がある。
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