研究課題/領域番号 |
10670379
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
中村 清一 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (80167551)
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研究分担者 |
小坂 博 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (30250327)
赤阪 進 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (10158719)
織田 肇 大阪府立公衆衛生研究所, 部長兼副所長 (00132845)
石川 秀樹 大阪府立成人病センター, 研究所10部, 医長
佐藤 真一 大阪府立公衆衛生研究所, 総務部, 技術吏員
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キーワード | 大腸がん / ハイリスク者 / 便 / 食事指導 / 小麦ふすま / 変異原性 / umu試験 / がん予防 |
研究概要 |
本研究の目的は大腸粘膜細胞に対する変異原物質の暴露程度を調べるとともに食事指導後の食生活の変化により特に大腸がんハイリスク者の便の変異原性がどのように変化するかを調べることにある。そのため大腸がんハイリスク者の便と健常者の便の変異原性の比較を行うとともに、大腸がんハイリスク者については食事指導を行いその後の便の変異原性の変化についての追跡調査を行った。すなわち、大腸がんハイリスク者として、多発性大腸腺腫患者400名、家族性大腸腺腫症患者12名、潰瘍性大腸炎患者35名(40〜60才;計447名)の研究協力者を確保し、これら「大腸がんハイリスク者」についてポリプ切除後、食事指導を行うとともに一定量の「フスマ入りビスケット」あるいは「乳酸飲料」を摂取してもらうなど、食事指導の内容によって四群に分け、その後の便の変異原性の変化を観察した。便は食事指導開始前、食事指導1年後、4年後に採取した(約1200試料)。この内、400試料について変異原性の測定を行い18試料で変異原性を検出した。これは、既に実施した地域住民での調査結果に比較してやや低い陽性率であった。しかし、地域住民を対象とした調査では変異原性を示すSOS反応誘導性は最高でも陰性対照値の約3.4倍であったが、今回の大腸がんハイリスク者の便では非常に高い陽性反応値が観察され、陽性反応の14試料のうち2試料が陰性対照値の10倍以上の高値を示した。 平成12年度以降:本研究は、当研究期間中に食事指導開始前、食事指導1年後、4年後の便を収集、現在、4年後の便の変異原性を測定中であるが、「大腸がんハイリスク者(大腸ポリプ等有所見者)」については、当研究期間終了後も、食生活を中心とした保健指導および観察の継続を予定している。
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