研究概要 |
平成10年度の引き続き、1,各種きのこの採取、2,培養条件の選択、3,きのこの毒成分の分析法の確定、4,生育条件による有毒成分の変化の検討が主な平成11年度の研究目標である。 1,研究材料として、ドクツルタケ、ツキヨタケ、ドクササコ、オオワライタケの採取を行った。ツキヨタケと並んで最も中毒の発生件数が多いクサウラベニタケについては本年度も研究材料として十分な量の確保ができず平成12年度に採取する予定である。 2,10年度に幻覚作用を有する毒きのこの一種であるヒカゲシビレタケの胞子を入手することができたが、エビオス寒天培地、鳩餌培地と引き継き増殖を行い、ヒカゲシビレタケの子実体を現在継続的に採取可能となった。 3,高速液体クロマトグラフィ、ダイオードアレイ分光分析器、電気化学的検出器の組み合わせで特にヒカゲシビレタケの有毒成分の分析を行っている。他のきのこについても検討予定である。 4,植物インキュベータで温度と照明を調節しながら培養をおこなっている。種類としては毒きのことしてヒカゲシビレタケ、ニガクリタケ、オオワライタケ、ツキヨタケ、食用きのことしてはコガネタケ、シイタケ、ホンシメジについておこなっている。培養温度のプログラムを2種類設定し,ヒカゲシビレタケの幻覚成分であるシロシビンについて高速液体クロマトグラフィで分析を行い、その有毒成分が生育条件により変化するかについて検討している。
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