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1998 年度 実績報告書

心筋ミトコンドリア中に認められるシクロプロパン脂肪酸の死後経過時間推定への応用

研究課題

研究課題/領域番号 10670383
研究機関東京大学

研究代表者

岩瀬 博太郎  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30272420)

研究分担者 高取 健彦  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30001928)
キーワードミトコンドリア / シクロプロパン脂肪酸 / 法医学
研究概要

我々は、ウシ心臓のミトコンドリアの脂質酸化についての研究で、脂質酸化の際に発生する各種脂肪酸をガスクロマトーグラフィー・マススペクトロメトリー(GC・MS)や液体クロマトグラフィー・マススペクトロメトリー(LC・MS)を用いて同定した。すると、種々のハイドロキシ酸、オキソ酸、ハイドロキシエポキシ化合物、エポキシ化合物が形成されることが明らかにされた。これらの合成経路に関しては、カルジオリピン-チトクローム脂質酸化反応系とカルシウム-チトクローム脂質酸化反応系がありうることが示唆された。一方、LC・MSによる分析の際に、ミトコンドリアの膜リン脂質のホスホリパーゼA2での加水分解物の中に、脂質酸化反応の産物とは異なる分子量268の脂肪酸の存在が示唆され、それをGC・MSで同定したところ、人工合成した9,10methylenehexadecanoic acidと同じ保持時間とマススペクトルを有することが明らかになった。また、このシクロプロパン脂肪酸はウシ心筋以外にも、ヒトやラットの肝臓や心臓の膜リン脂質に存在することが明らかにされた。これまで細菌の膜リン脂質にシクロプロパンが存在することは明らかにされていたが、哺乳動物の膜リン脂質にシクロプロパン脂肪酸が同定されたのは初めてのことである。また、このシクロプロパン脂肪酸はミトコンドリア膜だけでなく、ミクロソームや細胞膜にも存在し、リン脂質の1位ではなく、2位に存在していることが明らかにされた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hirotaro Iwase: "Calcium ions potentiate lipoxygenase activity of Cytochromec at the physiologicel pH." Biochemical and Biophysical Research Commanications. 243(2). 485-491 (1998)

  • [文献書誌] Hirotaro Iwase: "Formation of keto and hydroxy Compounals of lineleic actcl in Submitochendrial particles of bavine heart" Free Radical Biology and Medicine. 24(9). 1492-1503 (1998)

  • [文献書誌] Hirotaro Iwase: "Calcium is reguired for guesi-lipoxygerase activity of hemoproteing" Free Redical Biology and Medictne. 25(8). 943-952 (1998)

  • [文献書誌] Koichi Sakurada: "Identification of cis-9,10-methylenehexadecenoic acil in submitochendrial particles of bavire heart" Biochimica et Biophysica Acta. (in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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