研究分担者 |
根本 健 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40267571)
高田 綾 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30245196)
斎藤 一之 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10215535)
篠塚 達雄 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70095610)
木戸 啓 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60021440)
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研究概要 |
平成12度は,DNA多型が致死的病態との疾患関連性があるなら,加齢によりその多型分布にも変化がみられる可能性があると考え,平成11年度までの結果に,さらに症例を増やし検討を加えた. 1.試料:351例の剖検事例(年齢は0〜91歳)の血液および健康成人364名(遺伝子解析についての承諾の得られた大学生ボランティア)より採血した血液よりDNAを抽出した. 2.方法:LDLR,GYPA,HBGG,D7S8およびGC多型の検査は,Ampli Type PMキットを使用して,上記DNA試料についてPCR増幅を実施した.増幅後,アガロース電気流動で増幅の有無を確認後,リバースドット・ハイブリダイゼーション法で各遺伝子型判定を行った. 3.結果:剖検事例群と正常対象群との2群間における各DNA多型の遺伝子型分布の比較では,有意差は認められなかかった(LDLR:P=0.225,GYPA:P=0.146,HBGG:P=0.066,D7S8:P=0.361,GC:P=0.948).しかし,剖検事例群を0〜29歳群(n=113),30〜59歳群(n=127),60〜91歳群(n=111)の3群に分け,年齢別の各遺伝子型分布を比較したところ,GYPA,HBGG,D7S8およびGC多型では有意差は認められなかったが,LDLR多型は,3群間および0〜29歳群と60〜91歳群の2群間での遺伝子型分布に有意差を認めた(P=0.024,P=0.013).以上,LDLR多型の加齢に伴う遺伝子頻度の推移の原因は,LDLR-Aが関節的な連鎖マーカーとして,致死的病態と何らかの関連性を持つことに起因し,高齢者群のLDLR-Aが淘汰され,高齢者群のLDLR-A頻度が低頻度の傾向を示したものと考える.
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