研究概要 |
Primer Extension Preamplification(PEP)法を用いて微量DNA試料からPCR用の鋳型DNAの複製を試み,法医学的に応用される各種DNA型(VNTR,STR,性別鑑定領域等)でPEP法で処理され増幅した複製DNA試料を用いても,未処理DNA試料を用いてもPCR法で同一成績が得られるかどうかを検証した. 本年度検討したのは 1) MCT118型:15から42以上の22のアレル全てにおいて,同一成績が得られた. 2) THO1型:6から11まで7つのアレル全てにおいて,同一成績が得られた. 3) HLA-DQa型:1.1,1.2,1.3,2,3,4の6つのアレル全てにおいて,同一成績が得られた. 4) PM検査キット:LDLR型,GYPA型,HBGG型,D7S8型,GC型の5座位において,同一成績が得られた. 5) 性別判定(アメロゲニンローカス):同一成績が得られた. 6) ABO式血液型の遺伝子型:6種類の遺伝子型判定は同一成績が得られた. 7) Lewis式血液型の遺伝子型:3種類の遺伝子型判定は同一成績が得られた. 以上,MCT118型判定,THO1型判定,HLA-DQa型判定,PM検査キット (LDLR型判定,GYPA型判定,HBGG型判定,D7S8型判定,GC型判定),性別判定(アメロゲニン),ABO式血液型の遺伝子型判定,及び,Lewis式血液型の遺伝子型判定においては,PEP処理により増幅した複製DNA試料を用いても,未処理DNA試料から得られた遺伝子型と同一であることを明らかにした.
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