研究課題/領域番号 |
10670403
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大澤 資樹 東海大学, 医学部, 助教授 (90213686)
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研究分担者 |
黄 秀林 東海大学, 医学部, 奨励研究員
武市 早苗 東海大学, 医学部, 教授 (20035497)
湯川 修弘 東海大学, 医学部, 講師 (30240154)
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キーワード | ABO式血液型 / ヒト抗体 / Bリンパ球 / フローサイトメトリー |
研究概要 |
ABO式血液型における抗AないしBヒト抗体を作製する目的において、本年度は特異抗体産生Bリンパ球のクローン化を試み、概ね成功している。当初は、ヒト末梢血中リンパ球を直接フローサイトメトリーにかけ、抗体産生細胞を得ることを試みたが、少ない亜集団しか得られず改良を加えている。具体的な方法としては、AないしB型健康人の抹消血からリンパ球を分離した後EBウィルスを感染させ、10^4から10^5程度の細胞を96穴プレートにまき、培養を行う。AないしB抗原を発現しているα2マクログロブリン(α2M)ないし人工抗原を固相化したプレートを用い、ELISA法にて培養上清から特異抗体産生細胞を検出する。さらにリンパ球を大量培養した上で、Bリンパ球特異抗原であるCD19に対する抗体とFITC標識化したα2Mないし人工抗原の重染を行い、フローサイトメトリー法とソーティング操作にて抗体産生リンパ球を分取しクローン化した。このリンパ球の産生する抗体を含む培養上清は、正常ヒト血清の1/3,000倍程度の抗体価を持っていた。免疫グロブリンの可変部位のクローニングは、一般的には長鎖と短鎖のランダムな組み合わせからなるcDNAライブラリーからスクリーニングが行われていたため、得られたものが本当に元々の長鎖と短鎖の組み合わせであったのか不明であったのに対し、この方法の利点は、クローニング操作によりオリジナルな可変部位の配列とその組み合わせが検出できることにある。この結果は現在まとめ投稿予定である。今後は得られたBリンパ球からRT-PCR法にて可変部位のcDNAを得た後、発現ベクターに挿入しクローン化されたヒト抗体の作製するとともに、型判定への応用に進む予定にしている。
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