研究課題/領域番号 |
10670411
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山村 昌弘 岡山大学, 医学部, 助教授 (80252956)
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研究分担者 |
原田 誠之 岡山大学, 医学部付属病院, 助手 (70294452)
橋本 洋夫 岡山大学, 医学部付属病院, 講師 (80304343)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / Th・1細胞 / インターフェロン・ガンマ / インターロイキン-4 / インターロイキン-10 / 細胞内サイトカイン染色法 / RT-PCR法 |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)滑膜病変部では、IFN-γ産生を特徴とするThl型免疫反応が持続していることが示唆されている。本研究では、T細胞内に産生された各種サイトカインを標識抗体で染色した後に、フローサトメトリー法により個々の細胞レベルで検出する方法によりRA滑膜T細胞のサイトカイン産生異常を詳細に解析した。1.RA滑膜より分離した滑膜細胞をPMA+A23187刺激した場合、滑膜CD8+T細胞は主にIFN‐γを産生するが、滑膜の主要なT細胞分画であるCD4+T細胞はIFN‐γの他多様なサイトカインを産生する能力を持っていた。2.精製した滑膜CD4+T細胞では、同一患者より採取した末梢血CD4+CD45RO+T細胞と比較すると、IL-4及びIL-13を産生する細胞は減少しており、逆にIFN‐γ産生能を持つ細胞は有意に増加していた。また、IL-4、IL-13を産生する滑膜CD4+T細胞は、同時にIFN-γ産生能を持つものが存在し(Th0細胞)、IL-10とIFN-γを産生する細胞が滑膜に多数認められた。3.同様の結果は、より生理的に抗CD3+抗CD28で滑膜T細胞を刺激した場合にも得られた。4.RA滑膜T細胞に発現されているサイトカインをRT-PCR法により検出した場合、末梢血に比較するとIFN-γ発現がIL-4に比較して強いことが明らかになった。従って、慢性的RA滑膜には、機能的にIFN‐γ産生能を有するTh1細胞が優位に浸潤しており、また特異なサイトカイン産生様式を持つT細胞の存在も明らかになった。
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