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1998 年度 実績報告書

新しい膜融合関連蛋白(R21蛋白)の機能および遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 10670416
研究機関九州大学

研究代表者

中村 稔  九州大学, 医学部, 助手 (40217906)

研究分担者 中野 修治  九州大学, 医学部, 講師 (40164248)
キーワード膜 融合 / HTLV-1 / CXCケモカイン / HTLV-1 レセプター
研究概要

昨年度までの研究において、HTLV-I感染細胞ILT8M2と非感染細胞Molt-4の混合培養により生じるsyncytiumをラットに免疫することにより、syncytium形成を著明に増強するモノクローナル抗体(mAbR21)を得た。mAbR21が認識する分子(R21分子)はflowcytometryにより主にT cell及びFibroblast表面に検出され、Immunoblottingではほとんど全てのcell lineにおいて55kDaあるいは36kDaのバンドとして検出された。さらにmAbR21を固相化したアフィニテイーカラムを用いてウシ胎児血清から17kDaの蛋白(R21分子)を精製した。その部分アミノ酸シークエンスから、R21分子は既知のCXCケモカイン(Platelet Factor4)と約90%のホモロジーがあることが判明した。HIVのco-receptorがCCR-5やCXCR-4などのケモカインレセプターであることが近年報告されたことから、R21分子のレセプター(CXCR-?)がHTLV-1のco-receptorである可能性があり、R21分子及びmAbR21の膜融合における作用機構の詳細な解析を進めている。また、興味あることに、R21分子が心臓に高発現していることが判明し、R21分子の心臓からの蛋白精製や遺伝子クローニングも開始している。
また、HTLV-1レセプターのクローニングを行うストラテジーとして、cell to cellの感染系として、HTLV-1 envやluciferase発現ベクターを用いたcell fusion-dependent reporter gene activation assayを確立した。また、cell freeの感染系としてVSV-pseudotype(VSV-GF-HTLV-1 env)を作製した。これらの系を用いて、レセプターを高発現した細胞のcDNA由来の発現ベクターをレセプターを発現していない細胞株にtransfectionすることにより、HTLV-Iレセプターのexpression cloningを予定している。
本研究を通じて、HTLV-1のレセプター、HTLV-1 envによる膜融合機構が明らかとなるだけでなく、R21分子のHTLV-1 env膜融合以外における新しい機能解析などのきわめて興味ある方向へ発展する可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] B.Kitae,K.Usuku,Y.Yamamoto,S.Yashiki,M.Nakamura,et al: "Human CD4^+ T lymphocytes recognize a highly conserved epitope of human T lymphotropic virus type I(HTLD-1)env gp21 restricted by HLADRB^*0101." Clin.Exp.Immunol.111. 278-285 (1998)

  • [文献書誌] Shinji Shimoda,Judy V.D.Water,Aftab Ansari,Minoru Nakamura et al: "Identification and precursorfrequency analysis of a common T cell epitope motif in mitochondrial autoantigens in primary biliary cirrhosis." J.Clin.Invest.102. 1831-1840 (1998)

  • [文献書誌] K.Okuma,M.Nakamura et al: "Identification of a novel borine serum protein which is involved in human T-cell leukemia virus typeI(HTLD-1)-indnced syncytium formation" Arch.Virol.144. 1-18 (1999)

  • [文献書誌] K.Okuma,M.Nakamura et al: "Host range of human T-cell leukenla virus typeI analyzed by a cell fusion-dependent reporter gene activation assay" Virolgy. 254. 235-244 (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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