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1999 年度 実績報告書

HIV中和抗体を用いたgp120V3領域とケモカインレセプターの相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10670418
研究機関熊本大学

研究代表者

松下 修三  熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00199788)

キーワード中和抗体 / 抗イディオタイプ抗体 / HIV / ケモカインレセプター
研究概要

我々は昨年までに3種類のHIVに対する中和モノクローナル抗体(ヒト型化抗体、Cβ1、Rμ5、RC25)を家兎に免疫し、その血清中に抗イディオタイプ抗体を誘導した。ビオチン化した中和抗体の抗原エピトープを含むペプチドに対する結合反応の抑制という測定系で抗イディオタイプ抗体活性を測定した。免疫に用いた抗体に対する抗イディオタイプ抗体が最も結合抑制活性は高いが高濃度の抗血清を用いるとある程度の交叉反応性が認められた。抗ヒトIgG活性を吸着後に抗原として用いた抗体を結合させたアフィニティカラムにて、抗イディオタイプ抗体を精製し、同じ力価にてマウスを免役したところ、anti-RC25イディオタイプを免疫したマウスでは他の2種の抗イディオタイプ(anti-0.5β、anti-Rμ5)に比較して有意に強い力価の中和抗体が誘導された。一方、これらの中和抗体はHIVがケモカインレセプターと相互作用するV3ループ部分に反応することから、^<125>Iでラベルしたケモンカインがそのレセプターに結合する活性への影響を調べた。しかし、抗イディオタイプ抗体にも中和モノクローナル抗体にもケモカインとケモカインレセプターの反応に対する阻害効果は認められなかった。これらのことから、さらにRC25に対する抗イディオタイプ単クローン抗体を10種類作成し、中和抗体の誘導能やケモカインとケモカインレセプターの反応に対する影響を検討中である。
広範囲のHIV株を中和する抗体の誘導法は確立していない。有効なワクチン開発や免疫療法の開発に向けて抗イディオタイプ抗体の中には有効なものが含まれることがわかった。今後は抗イディオタイプ抗体を単クローン抗体として分離し、免疫療法やワクチンとしての動物レベルでの有用性を試みる必要がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] S.Shoji: "An allisteric drug,o'o'-bismyristoyl thiamine disulfide,suppresses HIV-1 replication through prevention of nuclear translocation of both HIV-1 tat and NF-kB."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 249. 745-753 (1998)

  • [文献書誌] Y.Hakata: "Involvement of human CRM1(Exportin 1)in the export and multimerization of the Rex protein of human T-cell leukemia virus type 1."J.Virol.. 72. 6602-6607 (1998)

  • [文献書誌] J.Wang: "IL-4 and a glucocorticoid up-regulate CXCR4 expression on human CD4+T lymphocytes and enhance HIV-1 replication"J.of Leukocyte Biology.. 64. 642-649 (1998)

  • [文献書誌] Y.Maeda: "Involvement of both V2 and V3 region of CCR5-tropic human immunodeficiency virus type-1 envelope for reduced sensitivity to macrophage inflammatory protein α."J.Virol.. 74. 1787-1793 (2000)

  • [文献書誌] S.Matsushita: "Current status and future issues in the treatment of HIV infection."Int.J.Hematol.. (in press). (2000)

  • [文献書誌] V.Tugarinov: "NMR structure of an anti gp-120 antibody complex with a V3-peptide reveals a surface important for co-receptor binding"Structure. (in press). (2000)

  • [文献書誌] S.Matsumi: "12th Word AIDS Conference(Appendix)"Monduzzi Editore,International Proceedings Division. 5 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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