研究課題/領域番号 |
10670422
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
永田 真 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20211443)
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研究分担者 |
西 裕一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00275893)
田部 一秋 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60211372)
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キーワード | 特異的免疫療法 / 好酸球 / リンパ球 / 血管内皮細胞 / 接着分子 / ケモカイン |
研究概要 |
炎症局所における好酸球組織集積の成立段階における必須の初期プロセスである血管内皮細胞間隙遊走(transendothelial migration,以下TEMと略す)について、抗原特異的免疫療法がT細胞を主成分とする単核球の特異抗原に対する反応性を修飾することを介してこれを修飾するかについて検討した。基礎的検討として前年度に確立したアレルギー性喘息患者の特異的抗原刺激末梢血単核球培養上清によるヒト末梢血好酸球TEM誘導のプロファイルについて更に解析した。即ち、喘息患者の特異抗原刺激単核球の培養上清が、IL-4+TNF-α刺激により接着分子VCAM-1を発現させた肺血管内皮細胞における好酸球TEMを誘導することを前年時に報告したが、本年度は、1.この培養上清は好酸球のVCAM-1発現血管内皮細胞への接着を長時間維持する活性を含有すること、2.本好酸球TEM誘導活性は抗CCR3抗体によりブロックされることから本質的にC-Cケモカインに依存性であること、3.リコンビナント・フォームのC-CケモカインによりVCAM-1発現血管内皮細胞での好酸球TEMがmimicし得ること、4.同様に遺伝子組み替えVCAM-1をコートしたフィルターを通過しての好酸球遊走をC-Cケモカインがmimicすること、さらに5.ダニ抗原による急速免疫療法施行症例において、本好酸球TEM誘導活性が減弱する症例があること、を各々観察した。また、免疫療法の機序解明における臨床的有効性との関連性を解明する一助として、集中導入手法であるクラスター方式免疫療法の抗喘息作用の経時的変化について検討を行い、特異的免疫療法の臨床効果は維持療法への移行1年後の時点でプラトーに到達することを明確化した。
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