研究課題/領域番号 |
10670423
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
赤星 透 北里大学, 医学部, 講師 (70159325)
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研究分担者 |
田中 住明 北里大学, 医学部内科, 助手 (80265595)
穂坂 茂 北里大学, 医学部内科, 講師 (80209220)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 好中球 / アポトーシス / 炎症 / 滑膜細胞 |
研究概要 |
平成10年度において、本研究は滑膜細胞由来の好中球細胞死(アポトーシス)抑制因子の性状を解析するために以下の点について研究を行った。 1) 検体の収集: 10余名の慢性関節リウマチ患者より、本人の了解のもと、関節手術時に滑膜組織を採取した。コラゲナーゼ処理後、培養ディッシュ付着細胞を得、継代培養を行った。初継代の培養上清は保存し、4継代以降の滑膜細胞はヒトインターロイキン1(IL-1)で刺激し24時間培養した。上清約2Lを収集し、好中球細胞死抑制因子の精製に供した。 2) 活性因子の性状解析: 慢性関節リウマチ患者由来滑膜細胞をIL-1で刺激して得た滑膜細胞培養上清中の好中球細胞死抑制因子の性状を解析した。抑制因子は分子量20-30Kd、イオン交換クロマトグラフイーの結果より、等電点がneutralおよびacidicである複数のタンパクに抑制活性を認めた。また、サイトカイン中和抗体による中和実験から、滑膜細胞由来の好中球アポトーシス抑制活性の少なくとも一部はGM-CSFであり、GM-CSF以外にも複数の抑制因子が存在することを明らかにした。 3) 好中球細胞死(アポトーシス)抑制因子の精製: ゲル濾過、陽イオン並びに陰イオン交換クロマトグラフィーなどを用いて、抑制因子の精製を試みた。現在までに、銀染色上数本のバンドにまでに精製した。今後、これらの精製タンパクの性状を更に解析すると共に、アミノ酸配列を決定するための解析を行う予定である。
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