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2000 年度 実績報告書

慢性関節リウマチにおける好中球細胞死(アポトーシス)抑制因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10670423
研究機関北里大学

研究代表者

赤星 透  北里大学, 医学部, 講師 (70159325)

キーワード慢性関節リウマチ / 好中球 / アポトーシス
研究概要

慢性関節リウマチ(RA)の関節炎局所では、著明な好中球浸潤が惹起され関節破壊に関与している。好中球走化因子によって関節炎局所に浸潤した好中球は、活性化されRAの炎症病態の形成に主要な役割を果たした後に、細胞死に陥り死滅して行く。好中球は最も寿命の短い白血球であるが、好中球の細胞死(アポトーシス)はさまざまな因子により制御されている。しかも、好中球のアポトーシスが炎症の収束機転の1つであることが明かにされてきている。そこで本研究では、RAにおける好中球アポトーシスの制御機構を解析し、以下の結果を得た。
(1)慢性関節リウマチ患者由来滑膜細胞は無刺激でも好中球アポトーシス抑制因子を産生し、炎症性サイトカイン(IL-1β,TNFα)はこの抑制因子の産生を誘導する。
(2)この抑制活性の主要部分にはGM-CSFとPGE2が含まれることが判明した。その他にも、未知の好中球アポトーシス抑制因子(分子量25KD)が存在した。
(3)PGE2受容体のなかでは、EP4を介したシグナルは好中球アポトーシスを抑制し、逆にEP3を介したシグナルは特徴的なアポトーシスを誘導した。
(4)RAの治療薬であるサラゾピリンは好中球のアポトーシスをすみやかに誘導し、経口金剤は濃度依存的に好中球細胞死に関与した。
したがって、RAの関節炎局所では好中球アポトーシスが抑制されていることから、好中球アポトーシスの誘導は関節炎を収束させるための治療戦略として重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Liu J.,AKAHOSHI T. et al: "Induction of neutrophil death resembling neither apoptosis nor necrosis by ONO-AE-248, a selectire agonist for PGE_2 receptor subtype 3."J.Leuko.Biol.. 68. 187-193 (2000)

  • [文献書誌] Liu J.,AKAHOSHI,T. et al: "Effect of auranofin, an antirheumatic drug, on neutrophil apoptosis."Inflamm.Res.. 49. 445-451 (2000)

  • [文献書誌] Matsui,T.,AKAHOSHI,T. et al: "Selective recruitment of CCR6 expressing cells by increased production of MIP-3α in rheumatoid arthritis."Clin.Exp.Immunol.. (in press).

  • [文献書誌] 赤星透,劉佳佳: "好中球とアポトーシス"炎症と免疫. 8. 3-8 (2000)

  • [文献書誌] 赤星透: "RAにおける好中球アポトーシスの制御機構"リウマチ科. 23. 231-235 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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