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1998 年度 実績報告書

ベーチェット病の主要病態としてのTリンパ球の異常活性化機序の分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 10670430
研究機関帝京大学

研究代表者

橋本 喬史  帝京大学, 医学部, 助教授 (30082142)

研究分担者 柳田 たみ子  帝京大学, 医学部, 助手 (80082204)
宮下 琢  帝京大学, 医学部, 助手 (00239401)
広畑 俊成  帝京大学, 医学部, 助教授 (90189895)
キーワードベーチェット病 / T細胞 / 好中球 / スーパー抗原 / Stapylococcal enterotoxins / IFN-γ / 固相化抗CD3抗体 / T細胞抗原レセプター
研究概要

ベーチェット病においては細胞の異常な活性化に基づく好中球機能の亢進が病態形成上重要な役割を果たすことがわかっている。我々は、ベーチェット病患者T細胞は健常人T細胞に比して、低濃度の連鎖球菌抗原や大腸菌抗原に対して過敏に反応してIL-6やIFN-γを産生することをこれまでに明らかにしてきた。本年度は、こうしたベーチェット病患者T細胞の異常反応性が抗原特異的であるか否かを、スーパー抗原であるStaphylococcal enterotoxins(SEs)や抗原非特異的な活性化作用を有する抗CD3抗体を用いて解析した。その結果、ベーチェット病患者T細胞は、健常人T細胞に比べて、低濃度のSEB、SEC1、SEC2に対して過敏に反応しIFN-γを産生した。しかし、低濃度固相化抗CD3抗体に対する反応性は、ベーチェット病患者T細胞と健常人T細胞の間では有意な差は見られなかった。ベーチェット病患者末梢血T細胞中のT細胞抗原レセプターのVβレパートリーは、健常人末梢血T細胞と有意の差を認めなかったことより、ベーチェット病患者T細胞のSEB、SEC1、SEC2に対する異常反応性は、T細胞中のVβレパートリーの差異に基づくものではなく、あくまで個々のT細胞のシグナル伝達の異常に基づくものであることが示唆された。そこでベーチェット病患者T細胞のlckのリン酸化について免疫沈降法とウェスタンプロット法にて解析を行ったが、健常人T細胞との間に有意の差異は見られなかった。今後は、costimulatory moleculeの役割やその他のシグナル伝達分子の異常についても検討を行ってゆく必要があると考えられる。また、本症におけるT細胞の異常活性化と好中球の異常活性化についての相互関係についても明らかにしてゆく必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hirohata S,Hashimoto T.: "Abnormal T cell responses to bacterial superantigens in Behcet's disease(BD)." Clin Exp Immunol. 112. 317-324 (1998)

  • [文献書誌] Hirohata S,Suda H,Hashimoto T.: "Low-dose weekly methotrexate for progressive neuropsychiatric manifestations in Behcet's disease." J Neurol Sci. 159. 181-185 (1998)

  • [文献書誌] Okai T,Tadokoro M,Hirohata S.: "Successful treatment of a patient with Neuro-Behcet's disease with low-dose weekly methotrexate." Jpn J Rheumatol. 8. 195-203 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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