研究課題/領域番号 |
10670438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60241171)
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研究分担者 |
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | MAIDS感染 / サイトカイン / IL-18 / マクロファージ |
研究概要 |
AIDS研究は近年、HIV感染時のマクロファージ(Mφ)上に発現するCD4のコファクターとしてのケモカインレセプターが注目を浴びている。MトロピックHIVは感染初期にMφ上のCCR5をコファクターとして標的細胞に侵入しする。MIP-1, RANTES等のケモカインはCCR5と競合してHIV感染を阻害し、CCR5遣伝子を欠損した人たちはHIV感染に耐性を示すことが明らかになった。従って、AIDS感染のMφ機能の解析が重要である。また、Mφが産生するサイトカインによってNK細胞は活性化されることから、AIDS感染時のNK細胞の機能を解析することも重要である。 本研究において、マウスのAIDSモデルであるMAIDS感染マウスを用いて、MφとNK細胞の機能を解析した。IL-18はMφから産生され、NK細胞に作用してNK活性を亢進させる働きも持つ。MAIDS感染後、経時的に血清中のIL-18を測定した所、感染後8週目で検出され、12週目で著明な値を示して、16週目にマウスは死亡した。MAIDS発症は6週目以後に起こることから、病気の進行と共にIL-18値が上昇した。次に、感染後8週目の脾MφをLPSで刺激した結果、IL-18の産生が認められた。一方、非感染マウスではIL-18の産生は認められなかった。更に、Mφの活性化を細胞表面上のB7.2の発現で検討した所、MAIDSマウスではその発現が増強していた。以上の結果から、MAIDS感染の進行に伴ってMφの活性化とIL-18の産生増強が明らかになった。次に、MAIDSマウスののNK活性を検討した所、感染後4週目ではその活性は増強していないが、感染後8週目では明らかに亢進していた。最後に、予備研究段階であるが、ヒトAIDS患者の血清中IL-18を検討した。その結果、明らかにIL-18値が上昇しているAIDS患者グループが検出された。現時点では、MIDS感染にともなって増強するIL-18及びヒトAIDS患者に認められる血清IL-18の意味付けに関しては不明である。
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