研究課題/領域番号 |
10670440
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
菊池 愛子 国立精神・神経センター, 神経研究所・微細構造研究部, 研究員 (70159010)
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研究分担者 |
加茂 功 国立精神・神経センター, 神経研究所・微細構造研究部, 室長 (70108489)
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キーワード | thymus / myoid cells / microglia / growth / differentiation / brain / rat / astrocyte |
研究概要 |
私たちが樹立したラットクローン化筋様細胞細胞の培養上清中に見出した二種の新規分化増殖因子、80kDa因子と100kDa因子は、共に、モノサイト系細胞をそれぞれ特異的な刺激活性を有する。また、筋様細胞細胞の培養上清中には、血球系細胞と中枢神経系特に脳組織由来の培養細胞に他組織細胞系に比して著しい細胞刺激活性を示すことを見出すことから、筋様細胞細胞由来の新規因子について、脳組織培養細胞への刺激活性を調べた。その結果、本二因子は共に、脳、特に、脳内マクロファージと呼ばれる、ミクログリアに分化増殖活性を有することが確かめられた。 両者は、ミクログリアに対して互いに特異的な分化増殖刺激活性を示し、また、既存のマクロファージ刺激因子いわゆるM-CSFとは異なった刺激活性である。さらに、脳組織中の80kDa因子と100kDa因子の探索を行い、胸腺由来因子と分子サイズ・免疫交差性等で同一と考えられる因子を精製出来た。この脳由来因子も、また、ミクログリアに刺激活性を示した。 さらに、脳組織の培養細胞上清中に同因子の産生が認められることから、その産生細胞の探索を試み、アストロサイトにその産生能を認めた。 本因子は、また、重症筋無力症と診断された患者の胸腺において、その病変の、過形成部分と胸腺腫部位を識別出来ることを見出した。 今後の研究として、先行実験として、脳では、ニューロン周囲に局在を認め、また、一方、脳内の免疫系への関与物質とも目される結果を得ている。それらの詳細な検討と、またヒト研究への発展を期したい。
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