研究課題/領域番号 |
10670462
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永木 正仁 岐阜大学, 医学部, 助手 (30293559)
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研究分担者 |
小島 久典 (財)応用生化学研究所, 主任研究員 (80270552)
四童子 好広 (財)応用生化学研究所, 副部長 (00111518)
大西 弘生 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40176954)
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キーワード | バイオ人工肝 / 急性肝不全 / 細胞外マトリックス / 遺伝子治療 / 転写因子 |
研究概要 |
バイオ人工肝の開発には、長期間、高度の肝細胞特異的機能を発現するバイオリアクターの開発が重要である。我々は細胞外マトリックスであるEngelbreth-Holm-Swarm(EHS)ゲルが、転写制御因子hepatocyte nuclear factor(HNF)を介して肝細胞分化機能発現を長期間維持することを報告してきた。EHSゲルを応用したバイオ人工肝モジュールを開発し、虚血性肝不全ブタに対し体外灌流を行ったところ、バイオ人工肝群ではバイオリアクター装着後より、低下していた重炭酸イオン濃度が上昇し循環動態の安定が得られた。また、バイオ人工肝によって、上昇していた血液アンモニア濃度の低下が認められた。スーパー肝細胞の開発を目的に非増殖型アデノウイルスベクターに、ラットHNF-4遺伝子を組み込み、初代肝細胞や肝癌株細胞に感染させ、培養液中のアルブミン濃度をELISA法にて測定したところ、HNF-4を遺伝子導入された細胞において培養液中へのアルブミン分泌の増加が認められた。以上の結果より、EHSゲルを応用したホロファイバー型モジュールは、体外灌流型ハイブリッド人工肝の実現に向けて大きな可能性を持つ魅力あるシステムであると考えられた。アデノウイルスベクターを介したHNF-4遺伝子導入は、スーパー肝細胞の確立に有望であると考えられた。
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