12年度は、インターフェロン誘導蛋白のひとつであるMxA遺伝子の肝組織中での発現量を慢性肝炎患者において検討した。またMxA遺伝子のpromotor領域の一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP)を検討し、肝組織中のMxA発現量との関係を検討した。治療上の必要から施行された肝生検により、本人の同意の元に得られた肝組織の一部からRNAを抽出し、MxA mRNA量を定量した。MxA mRNA量は患者により差がみられた。SNPはHijikataら(Intervirology2000;43:124)の報告に従い、全血よりDNAを抽出し、promotor領域をpolymerase chain reaction(PCR)にて増幅後、restriction fragment length polymorphismにより検討した。慢性C型肝炎12例では、Hijikataらが報告したnt-88のG.G homozygote、G.T heterozygote、T.T homozygoteは、それぞれ6例、5例、1例にみられた。MxA遺伝子のpromotor領域のSNPとMxA mRNA量と疾患の進展度(gradeおよびstage)との間に有意な相関関係はみられなかった。
|