研究課題/領域番号 |
10670489
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
松倉 茂 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70030939)
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研究分担者 |
寒川 賢治 国立循環器センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)
中里 雅光 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (10180267)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | uroguanylin / guanylin / cyclic GMP / guanylate cyclase / water-electrolyte |
研究概要 |
uroguanylin(UG)は、腸と尿から単離された15アミノ酸よりなるペプチドで、腸と腎尿細管の上皮に存在するguanylate cyclase結合C型受容体(GC-C)を活性化し、細胞内cyclic GMPを増加させ、消化管では水・Na^+の吸収抑制とCFTR Cl^-チャネルを介するCl^-分泌を、また腎ではNaCl排泄と利尿を齎らす。ヒトのグアニリンとウログアニリン遺伝子は、第1染色体短腕上に隣接して位置し、約2.5キロ塩基対で3個のエキソンと2個のイントロンより構成される。両遺伝子は6.5キロ塩基対の間隔でタンデムに連結して存在し、遺伝子重複により形成されたと考えられた。5'上流の転写調節領域にはTATAboxやCAATboxのプロモータ領域およびSp1、AP-1、AP-2などの転写調節タンパク結合部位が存在していた。ヒトで経口2%食塩水負荷により、尿中UGは約2.5倍に増加したが、経静脈的NaCl投与では変化なかった。NaCl10g/日の食事摂取ではNaCl7g/日に比べ尿中UGの有意な増加を認めた。ラット経口NaCl負荷で負荷15分後にUG遺伝子発現の増強を認めた。ラット腸灌流では、管腔内NaClに反応して管腔性と血行性にUG分泌が促進された。セロトニン陽性の腸内分泌細胞(EC cell)の管腔側と血管側にUGは染色された。血漿uroguanylin濃度は、心不全の臨床的重症度とよく相関し、心機能を評価する血液マーカーの1つであることを提示した。さらに心不全患者では、前室間静脈と大動脈および冠静脈洞と大動脈の間で血漿uroguanylin濃度の増加を認め、心不全時に心臓からuroguanylinが分泌され、体液負荷を減少させる方向で機能している可能性を示唆した。
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