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1998 年度 実績報告書

急性膵炎における膵腺房細胞アポトーシスと重症化機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10670495
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

加嶋 敬  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30079818)

研究分担者 片岡 慶正  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70185792)
キーワード膵腺房細胞アポトーシス / マウス膵管結紮モデル / Fas
研究概要

膵腺房細胞アポトーシスの誘導機構を解明するために、腺房細胞のアポトーシスにより膵萎縮に至るマウス膵管結紮モデルを用い、この過程におけるFas receptor(FasR)およびFas ligand(FasL)の関与について検討した。実験方法としては、C57BL/6系雄性マウス(6週齢)を用い、膵管結紮群、コントロール群(単開腹群および無処置群)の3群で検討した。
結紮後、1あるいは3日で、膵の脾臓葉を摘出した。摘出した膵を二分割し、一方からAGPC法によりRNAを抽出し、FasRおよびFasL mRNAの発現をRT-PCR法により検出した。
他方は膵の組織学的検討に供し、HE、ヘキスト33342(H-342)、TUNEL染色を行った。
さらに免疫組織化学的検討によりFasRおよびFasLの局在についても調べた。腺房細胞アポトーシスは、結紮1日後で0%(H-342法),0.1%(TUNEL法)、3日後で2.7%(H-342法),1.8%(TUNEL法)認められた。FasR mRNAは無処置群を含め全ての群で発現が認められ、この発現は群間で明らかな差がなかった。FasL mRNAは、コントロール群に比し、膵管結紮群でその発現が増強されていた。免疫組織化学的検討では、FasLは結紮3日後で陽染した腺房細胞が散見されたが、FasRの発現は全ての群で検出されなかった。腺房細胞アポトーシスの出現する結紮3日後に同期して、腺房細胞にFasLの発現が認められたことより、膵管結紮後の腺房細胞アポトーシスにおけるFasR-FasL systemの関与が示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Yasuda H, et al: "Cytokine Expression and Induction of Acinar Cell Apoptosis. After Pancreatic Duct Ligetion in Mice" Journal of Interferon and Cytokine Research. 19・6(in press). (1999)

  • [文献書誌] 片岡 慶正、他: "重症急性膵炎の病態" 肝胆膵. 36・5. 629-641 (1998)

  • [文献書誌] Kataoka K, et al: "Pathophysiologic Studies of Experimental Chroric Pancreatitis in Rats Induced by Injection of Zein-Oleic Acid-Linoleic Acid Solution into Pancreatic Duet" Pancreas. 16・3. 289-299 (1998)

  • [文献書誌] 片岡 慶正、他: "急性膵炎とアポトーシス" 侵襲と免疫. 6・4. 18-20 (1997)

  • [文献書誌] 阪上 順一、他: "アルギニン急性膵炎モデルとアポトーシス" 胆と膵. 18・1. 37-40 (1997)

  • [文献書誌] Sakagami J, et al: "Relationship of Plasma CCK to Acinar Cell Regeneration in Acute Dancreatitis as Studied by proliferating Cell Nuclear Antigen" Digestive Disease and Sciences. 41・9. 1828-1837 (1996)

  • [文献書誌] 加嶋 敬、他: "平成9年度研究報告書-急性膵炎におけるサイトカインとアポトーシス-" 厚生省特定疾患消化器系疾患調査研究班難治性膵疾患分科会, 6 (1997)

  • [文献書誌] 加嶋 敬、他: "平成8年度研究報告書-急性膵炎におけるapoptosisの役割-" 厚生省特定疾患消化器系疾患調査研究班難治性膵疾患分科会, 6 (1996)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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