研究課題/領域番号 |
10670496
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
樋口 和秀 大阪市立大学, 医学部, 講師 (20218697)
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研究分担者 |
藤原 靖弘 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40285292)
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キーワード | Helicobacter pylori / リンパ球 / T細胞抗原レセプター / 抗原提示細胞 / 胃粘膜 / 接着分子 / costimulatory factor |
研究概要 |
Helicobacter pylori陽性の胃炎患者の内視鏡下生検組織を用い、リンパ球を分離した。リンパ球のT細胞抗原レセブターVβレパートアーをSSCPにて解析したところ、oligoclonalなものでpolyclonalなものではなかった。これらのことより、H.pyloriの抗原はスーパー抗原ではないことが明らかになったが、各症例で一定のパターンを得ることができず、さらなる抗原の特異性は証明できなかった。一方、抗原提示の観点から、HLA-DR、接着分子のひとつであるICAM-1、costimulatory factorのひとつであるB7の発現について検討した。その結果、粘膜内のマクロファージ、樹状細胞にそれらの分子の局在が認められたが、被蓋上皮細胞の抗原提示細胞としての役割に関しては、HLA-DR、ICAM-1は認められたが、B7の発現はなかった。これらのことより、H.pylori感染胃粘膜において、抗原提示細胞としての役割を果たしているのは、マクロファージ、樹状細胞がその中心であると考えられた。つぎに、細胞浸潤(炎症の惹起)に関係のあるサイトカイン産生に関して、ヒト血中の単球を単離し、H.pyloriの培養上清液を刺激することによるサイトカイン産生の状態を検討した。その結果、IL-1β、TNF-αの産生が高く、それらは、プロスタグランジンの投与で抑制されることを確認した。
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