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1998 年度 実績報告書

家族性大腸腺腫症の遺伝子異常および長期予後に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10670520
研究機関川崎医科大学

研究代表者

飯田 三雄  川崎医科大学, 医学部, 教授 (00127961)

研究分担者 松本 主之  九州大学, 医学部, 助手 (10278955)
黒木 文敏  川崎医科大学, 医学部, 講師 (20278956)
末兼 浩史  川崎医科大学, 医学部, 講師 (70299189)
キーワード家族性大腸腺腫症 / 遺伝性大腸癌 / Apc遺伝子 / 異型家族大腸腺腫症 / 小腸腺腫 / 拡大内視鏡検査 / Mutaion cluster region / PCR法
研究概要

1. 家族性大腸腺腫症(FAP)の十二指腸・小腸病変に関する研究
大腸切除術施行前ないし結腸切除後1-22年経過したFAP患者19例を対象とし、回腸の腫瘍性病変を検討した。回腸を拡大内視鏡を用いて観察し生検組織を採取した。組織は腺腫の有無およびPCR法によるamplification refractory systemを用いたApc遺伝子codon 1061、1068よび1309の異常の有無を検討した。回腸の通常観察では、19例中3例に単発ないし多発する腺腫性ポリープを認めた。拡大観察では、全例で微小隆起が認められ、このうち5例では組織学的に軽度(3例)ないし中等度(2例)異型の腺腫が診断された。これら5例の拡大内視鏡所見は、小型円形腺口開口部の散在4例、鋸歯状変化1例で、非腺腫14例の表面構造(絨毛状4例、管状10例)とは異なっていた。同腸微小腺腫5例中2例、非腺腫14例中3例の回腸粘膜にcodon1309の遺伝子異常が同定された.回腸微小腺腫陽性5例中3例では大腸切除後の経過中に早期直腸癌が診断されていたが陰性14例では直腸癌の発生はみられなかった。以上より、FAPでは十二指腸のみならず小腸に腺腫が高率に発生すると考えられた。
また小腸腺腫の発生にはいわゆるmutation cluster regionの関与は少ないと思われた。
2. FAPのゲノム遺伝子の検討
診断の確定した61例のFAP患者から白血球DNAを抽出しApc遺伝子と表現型との関連を検討中である。まず、表現型が極めて軽微なFAP患者2例を抽出し、Apc遺伝子の変異を検討した。その結果、1例で従来attenuated familial adenomatous polyposisに好発するとされているexon3の遺伝子異常を同定できた。今後さらにApc遺伝子を検討し、表現型との関係を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Matsumoto T,et al.: "In vivo observation of the ileal microadenoma in familial adenomatous polyposis." Am J Gastroenterol. (accepted).

  • [文献書誌] 飯田三雄,他: "家族性大腸腺腫症の病態と臨床像" 臨床と研究. 75. 1741-1746 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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