研究概要 |
SART-1遺伝子の生物学的機能を解析する上で、蛋白質の局在、過剰発現したときの影響、ゲノムの解析、および相互作用する遺伝子またはその産物の解析を行った。 1)SART-1遺伝子を蛍光物質との融合蛋白として発現させたところ、細胞核に局在する事が分かった。 2)SART-1_<800>タンパクは、アフィニティークロマトグラフィーの結果より、DNAに結合する蛋白質であることが示唆された。 3)SART-1遺伝子は、過剰に発現させると細胞周期がG2/M期にアレストして増殖が停止したり、アポトーシス様の形態を示した。また、SART-1遺伝子を、過剰発現させる事で、癌抑制遺伝子p53や、サイクリンB1、あるいはcdc2などの変化が起った。 4)Two-hybrid法により、SART-1と親和性を持つ蛋白質をコードする遺伝子が単離された。しかしながら、本方法は感度が高いため、現在確認実験を行っている。 5)上記(Two-hybrld法により、SART-1と親和性を持つ)蛋白質をコードする遺伝子産物をファーウエスタン用で解析するため、SART-1蛋白の上流、中央部、および下流の3カ所の断片のプローブを作製した。 6)マウスSART-1遺伝子をコードするゲノムを解析を行った結果、20個のエクソンからなることが分かった。イントロン部分は12%から60%と、比較的相同性が低かった。 7)マウスSART-1遺伝子の発生段階において、胎生初期(14日目)から発現していた。 8)SART-1遺伝子には、3'-側の上流の配列に相同性の高いファミリーが存在することが示唆され、1×10^6クローン中3.3kb(2 clones),2.9kb(1 clone),1.6kb(1 clone),0.9kb(5 clones)の、合計9クローンが得られた。
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