研究課題/領域番号 |
10670522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
田中 正俊 久留米大学, 医学部, 講師 (60179786)
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研究分担者 |
由谷 茂 久留米大学, 医学部, 助手 (20279160)
七條 茂樹 久留米大学, 医学部, 助教授 (30080592)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 癌拒絶抗原 / MAGE-4 / 肝癌 / 発癌予知 / 肝硬変 |
研究概要 |
MAGEファミリーの一つであるMAGE-4蛋白が癌患者の血清中から高率に検出される。 肝癌は肝硬変または慢性肝炎患者から発症することは広く知られている。我々は既に肝癌患者の血清MAGE-4蛋白を測定し、健常人より有意に高いことを報告した。肝硬変患者においても健常人に比べ血清MAGE-4蛋白は高い傾向を示していた。そこで、今回は肝硬変患者の血清MAGE-4蛋白を経時的に測定し、血清MAGE-4蛋白値と発癌との間に相関があるか、則ち、血清中のMAGE-4蛋白を測定することが肝硬変患者における肝癌の発生予知につながるか否かを検討した。 肝硬変患者61例の血清MAGE-4値を経時的に計測した。経過観察中に28例が肝癌と診断され、その50%にあたる14人が経過中に血清MAGE-4が陽性であった。また、それら陽性患者14人中7人が診断1年前より、5人が診断2年前より陽性であった。肝癌発生患者の血清MAGE-4平均値、中央値共に有意に非発癌患者のものより高い傾向にあった。さらに、治療後血清MAGE-4が測定できた6例では治療後全ての患者で血清MAGE-4値は減少し、4例は陰性化した。既存の肝硬変患者における肝癌発癌のリスクファクターとされる性別、血清ALT値、更に腫瘍マーカーである血清AFP値との比較に於いても、今回の検討では単変量解析で血清AFP値と血清MAGE-4値が発癌のリスクファクターとして有意義であり、さらに多変量解析では血清MAGE-4の測定値がより有意に発生を反映していると結論づけられる結果となった。
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