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1999 年度 実績報告書

細胞外マトリックス調整を介した肝移植早期の肝機能回復と肝再生促進の試み

研究課題

研究課題/領域番号 10670523
研究機関産業医科大学

研究代表者

山田 真和  産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (60143426)

キーワード肝移植 / 脂肪肝 / 細胞外マトリックス / 肝再生促進 / 炎症性サイトカイン
研究概要

今年度は、アルコール性と非アルコール性脂肪肝での虚血再灌流障害の機序の解明とその軽減の試みについて研究を進めた。
I)脂肪肝での虚血再灌流障害へのアポトーシスと炎症性サイトカインの関与:アルコール性脂肪肝では、コントロール群や非アルコール性脂肪肝に比して、虚血再灌流後1時間で、NFκBのDNA結合能が有意に高くなることが明らかとなった。4時間後には、好中球の肝浸潤と肝壊死は高度で、好中球を走化・活性化するケモカイン(CINC-1)産生が高いことがmRNAと蛋白レベルで確認された。また、4時間後の肝アポトーソスは、非アルコール性脂肪肝でも同様に高いことが明らかとなった。以上から、アルコール性脂肪肝では、NFκBと好中球が積極的に関与するメカニズムから、肝のアポトーシスと肝壊死がおこることが推定された。
II)クッパー細胞機能抑制によるアルコール性脂肪肝での虚血再灌流肝障害の制禦:アルコール性脂肪肝で虚血再灌流後に惹起される上記の現象に及ぼすクッパー細胞機能抑制の影響を検討した。クッパー細胞機能抑制を行うと、NFκB結合能、サイトカインレベル、アポトーシス、好中球浸潤と肝壊死のいずれもが有意に抑制された。以上より、アルコール性脂肪肝での虚血再灌流肝障害の制禦に、クッパー細胞機能抑制が有効な手段となりうる可能性が示された。
現在、ある外科教室との共同研究の形態で、脂肪肝移植後7日以内におこる肝障害のメカニズムについて、炎症性サイトカインや好中球を中心に、検討を行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yamada S.: "A pivotal role of activated hepatic macrophage in the progression of alcoholic liver disease."J UOEH. 21. 37-45 (1999)

  • [文献書誌] Ichiguchi O,Yamada S.et al.: "Enhanced hepatocyte growth factor expression associated with prolonged rat hepatic allograft survival in recipients pretreated with donor-specific blood."Transplantation. 67(1). 115-123 (1999)

  • [文献書誌] Yamaguchi Y,Yamada S,et al.: "Peroxynitrite formation during rat hepatic allograft rejection."Hepatology. 29(3). 777-784 (1999)

  • [文献書誌] Yamada S,Matsuoka H,et al.: "Effect of long-term ethanol consumption on ability to produce cytokine-induced neutrophil chemoattractant-1 in the rat liver and its gender difference."Alc Clin Exp Res. 23. 61S-66S (1999)

  • [文献書誌] Fujisaki T,Yamada S,et al.: "CD44 stimulation induces integrin adhesion of colon cancer cell lines to endothelial cells by upregulation of integrin and c-met and activation of integrin."Cancer Res. 59. 4427-4434 (1999)

  • [文献書誌] 山田真和: "長期アルコール摂取による肝ケモカイン産生誘導と性差"消化器科. 29. 689-694 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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