研究課題/領域番号 |
10670537
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小泉 知展 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (20273097)
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研究分担者 |
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 教授 (80143965)
本田 孝行 信州大学, 医学部, 助教授 (80238815)
藤本 圭作 信州大学, 医学部, 助手 (70242691)
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キーワード | 気管支喘息 / 気管支リモデリング / 好酸球 / 誘発喀痰 / 呼気-酸化窒素 / TGF-β / Tryptace / 慢性閉塞性肺疾患 |
研究概要 |
臨床的研究として、非侵襲的な気道炎症のモニタリングとしての有用性が確立されている誘発喀痰を気管支喘息患者から採取し、喀痰中のgrowth factorsや炎症性メディエーターを測定。さらに呼気中nitric oxide(NO)を測定し、気管支リモデリングとの関係について検討した。気管支喘息患者では喀痰中の好酸球数の増加およびTGF-betaの上昇を認め、この好酸球性の気道炎症と相関して、呼気中NO濃度および産生量の増加がみられた。リモデリング群と非リモデリング群との比較では、好酸球性の気道炎症に有意な差はないが、TGF-betaがリモデリング群で高値を示す傾向がみられた。また、リモデリング群では呼気NO産生量の増加はみられなかった。以上より、リモデリングにはTGF-betaの関与が示唆され、好酸球性気道炎症と呼気NO産生量とのギャップは気道リモデリングの指標に成りうる可能性が示唆された。COPD患者の誘発喀痰による検討で、症状安定期にある慢性肺気腫患者では好中球および好酸球性の気道炎症が混在し、好酸球性の気道炎症が強く関与している患者では、気道閉塞の改善という点においてステロイドは有効であることが示唆された。
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