正常ヒト由来の末梢血単核球分画(PBMC)、単球由来マクロフファージ(MDM)、NK細胞のアポトーシスに対する各種抗酸菌感染とサイトカイン投与の影響を検討した。PBMCは末梢血から比重遠心法で採取した。MDMはPBMC中の付着細胞を培養することで形成した。CD56抗体を用い磁気ビーズ法にて陽性選択した細胞をNK細胞と考えた。細胞は全て5%ヒトAB型血清加RPMI1640中で培養した。アポトーシスは全てTUNEL法を用い、FACSCANによるflow cytometryにて定量化した。一部細胞はDAPIを用いた核染色を行い蛍光顕微鏡での観察でアポトーシスの確認を行った。PBMCは培養後経時的にアポトーシス細胞の比率が増加し、培養6日目で約51%となった。結核菌(H37Rv)やM.avium complexの感染はこのアポトーシスの比率を低下させた。MDMのアポトーシスは結核菌の感染で亢進した。同菌の感染の有無に関わらず、IL-2またはIFN-γの投与はMDMのアポトーシスの抑制傾向を、一方TNF-αの投与はアポトーシスの促進傾向を示した。未感染のNK細胞のアポトーシスはIL-12またはIL-18の投与で抑制されたが、結核菌を感染させた場合IL-12やIL-18投与のアポトーシス抑制作用は全く認められなかった。以上の感染実験は全て安全キャビネット内で行い、10%ホルマリンにて1時間処理する事で完全に滅菌した後に各種アッセイを実施した。
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