研究概要 |
特発性肺線維症(IPF)5症例,Non-spcific interstitial pneumonia(NSIP)5症例の開胸肺生検あるいは胸腔鏡下肺生検によって得られた肺組織と限局性肺疾患5症例(control)の手術摘出肺の正常組織部分からそれぞれ線維芽細胞株を樹立した。樹立した15株の線維芽細胞の収縮能をcollagen gel contraction assayを用いて比較検討したところ、IPFの収縮能は有意にNSIPおよびcontrolより亢進していた。NSIPの収縮能はcontrolより高い傾向にあったが、有意ではなかった。また形態学的にはIPF線維芽細胞はα smooth muscle cell actinの増加がみられた。各線維芽細胞株の培養上清をcontrol肺線維芽細胞に加えると収縮能の亢進活性が認められたが,IPFの培養上清はNSIPおよびcontrolの培養上清より活性が高かった。各培養上清をmolecular sieve columnにて分画したところ分子量約30Kdaと180Kdaに活性が認められた。中和抗体による検討を行ったところ30kDaの活性はTGFβに180Kdaの活性はFibronectinであった。
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