[1] 卵白アルブミン(OA)抗原誘発時のイオントランスポートの検討 モルモットにOAを腹腔内投与し感作モデルを作製した。コントロールおよびOA感作したモルモットの気管を摘出し、Ussing chamberにマウントし、短絡電流(isc)を連続的に測定した。OAをin vitroでチャレンジすると感作群でlscの増加を認めた。この反応はamilorideで抑制されず、DPCで抑制された。またヒスタミンH1拮抗薬で抑制されたが、H2拮抗薬では抑制されなかった。さらにタキキニン拮抗薬、DSCGによっても抑制された。以上より感作群では肥満細胞から遊離したヒスタミンの気道上皮への直接作用とC-fiberからのタキキニンを介する間接作用によりイオントランスポートを亢進させると推測された。 [2] 感作モルモットのCl分泌刺激物質に対するClチャンネルの感受性および反応性の検討 OA感作群およびコントロール群の気管上皮をUssing chamberにマウントし、ヒスタミン、イソプロテレノール、ブラディキニンで刺激しlscを測定した。その結果いずれの物質に対しても感作群はコントロール群より優位にClイオントランスポートが亢進していた。以上より感作自体でClイオントランスポートの亢進をもたらす機序が存在すると示唆された。 [3] 感作モルモットのCTR蛋白発現の検討 感作群およびコントロール群の上皮細胞におけるCFTRの発現について、CFTRに対する抗体を用いた免疫組織染色により比較した。その結果、感作群で優位に線毛上皮細胞のapical membraneにCETRの発現亢進を認めた。このことからCFTR upregulationが感作群のClイオントランスポートの亢進に関わっていると推測された。
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