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1999 年度 実績報告書

肺胞II型上皮細胞での肺サーファクタントの合成・輸送・分泌に関わるシグナル伝達機構

研究課題

研究課題/領域番号 10670566
研究機関金沢医科大学

研究代表者

長内 和弘  金沢医科大学, 医学部, 講師 (70221158)

研究分担者 栂 博久  金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90142554)
高橋 敬治  金沢医科大学, 医学部, 教授 (50004685)
キーワード肺サーファクタント / 肺胞II型上皮細胞 / 細胞内輸送 / 層状封入体 / ブレフェルジンA
研究概要

ラットから肺胞II型上皮細胞を単離し、DME培地に20時間培養した後、非付着細胞を洗い流し、DME培地に[^3H]コリンとともにゴルジ装置を消失させる作用をもつブレフェルジンA(BFA)を加え細胞を4時間ラベルした。培養液に分泌された[^3H]フォスファチジルコリン(PC)と細胞内[^3H]PCを脂質抽出して測定したところ、ほとんど分泌はみられなかった。つぎにラベルした細胞をホモジナイズし、スクロース密度勾配超遠心法にて層状封入体分画を得たところ、[^3H]PCは時間依存性に同分画に集積しており、BFAの影響はみられなかった。すなわち、新合成PCはゴルジ装置とは独立した経路で層状封入体へ輸送されることが知られた。次に単離したII型細胞を[^<35>S]メチオニンとともに6〜20時間培養し、分泌された[^<35>S]サーファクタントプロテインA(SP-A)、細胞内[^<35>S]SP-Aおよび層状封入体分画[^<35>S]SP-Aを抗SP-A抗体を用いた免疫沈降法、SDS-PAGE、オートラジオグラフィーにて検出した。この結果、[^<35>S]SP-Aは層状封入体へは輸送されず、連続的に分泌されていた。BFAは分泌をほぼ完全に抑制した。同様にしてウサギから肺胞II型上皮細胞を単離し、[^<35>S]メチオニンでラベルし抗SP-B抗体を用いた免疫沈降法で観察したところ、[^<35>S]SP-Bは連続的に層状封入体へ輸送され、分泌はほとんどみられなかった。またBFAは層状封入体への輸送を阻害した。すなわち、新合成SP-Aはゴルジ装置に輸送され、層状封入体へは輸送されずに連続的に分泌されるが、新合成SP-Bはゴルジ装置を経由し、層状封入体に輸送され貯蔵されることが知られた。以上より、肺サーファクタントの主成分であるPCとSP-A、SP-Bの各成分はそれぞれ別の細胞内経路で輸送されていることが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kazuhiro Osanai et al: "Trafficking of newly synthesized surfactant apoprotein A in isolated rat alveolar type II cells"Am J Respir Cell Mol Biol. vol.19(6). 929-935 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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