研究概要 |
当該科学研究費配分内定(平成10年10月)まで,以前からの研究テーマである「遺伝性高血圧ラット(SHR)と正常血圧ラット(WKY)の循環・呼吸調節ニューロンの所在と性質の差異」を調査した。その結果をまとめた論文名を11.研究発表の欄に記す。今後の研究実施計画を下に記す。 1 胃潰瘍誘発薬シシコフェンの腹腔内投与により誘発される中枢神経のFos蛋白陽性のCRH分泌細胞のSHRとWKYの差の調査。 pH7.4に調整したシンコフェン水溶液をSHR及びWKYの腹腔内に注射する。1.5時間後ラットを潅流・固定後,脳を取り出し脳の延髄から終脳までの連続前額断切片を厚さ440μmで作成する。切片作成には設備備品として申請したマイクロスライサーを用いる。切片に対してABC法による免疫組織化学法により,Fos蛋白およびCRH分泌細胞を染色する。顕微鏡下でこれら陽性細胞を視床下部室傍核を始めとするCRH分泌細胞の所在神経核,および,大脳皮質・大脳辺縁系・脳幹に於けるFos蛋白発現細胞の分布・数・ドース依存性を調査し,両種間でFos3発現様式にどのような差異があるか調査する。 2 水浸拘束により誘発される中枢神経のFos蛋白陽性のCRH分泌細胞のSHRとWKYの差の調査。 水浸拘束時間とFos蛋白・CRH陽性細胞の発現との関係を両種ラットで調べ上記と同様に比較検討する.脳切片の作成,また,Fos蛋白とCRHの免疫組織化学染色は上記方法による。
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